持ち運びが便利なハイエンドパックロッド エクスセンスMB インプレ

インプレ
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旅行先の知らない海でワリとガチで竿を振ってみたい、ちょっとそこまで自転車に乗って都市河川のシーバスを本格的に狙いたい、たまには贅沢に離島に渡って得も言えぬ釣果を叩き出したい、けれど竿を船や飛行機に持ち込むのは大変…などなど、ガチで釣りをしたいけど持ち運びに不便な長竿のせいで諦めるシチュエーションがあることと思います。

そんなときこそパックロッドの出番。車がなくても旅行バッグの中に仕舞えたり、肩掛けで楽に持ち運べたりするので、上記のような移動手段で困ったときに活躍する便利なロッドです。

各メーカーからいろんなパックロッドが発売されていますが、その中でも最高性能を誇るシマノのハイエンドシーバスモバイルロッド、エクスセンスMBは前述のようなちょっとしたシチュエーションでも本格的に釣ってやるぜ!な人にオススメしたい一本です。

エクスセンスMB スペック表

                                   
品番 全長(m) 継数仕舞寸法(㎝)自重(g)ルアー(g) 適合ライン(PE)
S88ML-5 2.64
5
56.4
127
5-32
0.5-1.2
S96ML-6 2.90
6
53.3
141
5-32
0.5-1.2
S96M-6 2.90
6
53.3
147
6-40
0.6-1.5

エクスセンスMBのラインアップは3種類。

注意したいところは、一番短いS88ML-5のほうが他の2モデルに比べ仕舞寸法が長尺になってしまうところ

パックロッドを購入する理由である持ち運びを考慮する上で仕舞寸法3㎝の差は結構大きいので、旅行バッグなどに入れて持ち運ぶ予定であれば、購入前にバッグに入るかどうか寸法チェックをしておいたほうが良いと思います。

どのモデルを選ぶべきかは下記を参考にしてください。

S88ML-5

S88ML-5は小型~中型のミノーやシンペン、バイブレーションといったプラグから、15~20gのジグヘッドやメタルジグを扱うには最適。

シーバスロッドの中ではショートレングスなので、港湾や小規模河川で特に活躍できそうです。

S96ML-6

S96ML-6はS88ML-5に比べやや長い、一般的なシーバスロッドで最もスタンダードなレングス。

扱いやすいルアーはS88ML-5と同様で、こちらはロングレングスであるため港湾から小中規模河川、足場の高い堤防までカバーできる分、背後に藪がある河川やテトラ上ではS88ML-5に比べ、その長さが逆に邪魔になります。

S96M-6

S96M-6はS96ML-6と同じ2.90mのレングスで、硬さがMであるためルアーウエイトは35gのものまで使用可能。港湾はもちろん大規模河川、足場の高い堤防から干潟、頑張ればサーフまでカバーできます。ただし、軽量プラグを扱うバチ抜けなんかは前述のモデルに分があります。

ハイエンドたる豊富な技術特性

とにかく高強度! スパイラルXコア、ハイパワーX、ナノピッチ

スパイラルXコアやナノピッチは、価格帯で言えば4万円以上するハイエンドロッドにしか採用されていない技術です。細かな製法やそれぞれの特徴は省きますが、エクスセンスMBに使用されているブランクスはとにかく曲げ、ねじれ、つぶれ、どの方向にも強く高強度。

密に巻かれたカーボンテープ。いかにも強そう。

同じシーバスモデルであるD社のロッドはポキンジーノなんて揶揄されたりしますが、シマノのロッドは本当にタフ。長年このメーカーを愛用していて感じますが、普通に扱っていれば、というか多少雑に扱っても折れません。

パックロッドはその構造上、どうしても強度を確保するためにブランクスが太く大きくなりがちですが、シマノだから成し得る高強度を保ったこの軽量な自重ということでしょう。

ちなみにA社の同じようなスペックモデルのロッドと比べると30~50gも軽いです

Xガイド

シマノ公式ホームページによれば、3Dテクノロジーで一体成型されており、軽さ、トラブルレス、キャスト性能を高次元に引き出したシマノ独自の高性能ガイドらしいです。こちらも価格帯的には4万円以上のハイエンドモデルにしか採用されていない模様。ただし詳しい説明がないため、他社に比べればそこまで力を入れている部分ではないのかも。

エクスセンスMBのガイドはかなり小径。それでもトラブルはほとんどない。

とは言え、糸絡みをするようなライントラブルは滅多にありませんし、スピニングリールからバネ巻き状に放出されたラインをスムーズに流してくれるのでキャストフィーリングも申し分ありません。

カーボンモノコックグリップ

リアグリップをカーボン一体成型かつ中身を中空にすることで、細かなバイトや潮の流れといった僅かな情報も手元にしっかりと伝えてくれる、軽さと感度を両立させた高性能グリップ。あと見た目がカッコイイ。

使えば解るけど手元に伝わる振動が凄い。

注意点としては、衝撃吸収力があるEVAグリップに比べ脆いので、ロッドを地べたに置くと割れる可能性があります。

と言いつつ、気にしながらも地べたに置くことがありますが、割れた経験はありません。

CI4+

こちらはリールでもよく見かける技術特性ですね。CI4+というのはシマノ独自のカーボン繊維に軽量樹脂を合わせた高強度素材。これのおかげで曲がる、ねばる、軽い、強いが実現されているワケです。

キャリーケース付き

エクスセンスMBを買えば便利なキャリーケースが付属しているので、無理に旅行バッグに入れなくても大丈夫。

ベルト付きなので手持ち、肩掛けどちらにも対応。

ロッド持って電車に乗ると、周りとは少し浮いた雰囲気がちょっと恥ずかしいという人もいると思いますが、このキャリーケースは釣り具っぽくないカッコイイデザインなので気にすることなく持ち運びできます。

エクスセンスMBインプレ

仕舞寸法約50㎝ 付属のキャリーケースも想像以上に便利

そもそもなぜ私がパックロッドを買おうと思ったのかというと、会社の都合で半年間の長期出張を言い渡されたため。

出張先へは新幹線での移動、そして滞在期間中は数人共用のレンタカー。ゆえに車使用は交代制でメインの移動手段は徒歩、バス、電車のみ。パチンコやTVゲームをやらないわたしにとっての娯楽と言えば釣りオンリー。幸いにも出張先が海に面した場所だったので、バスや電車を使えば休日釣りに出掛けられる。

となると、やっぱりパックロッドが便利。しかもサーフ、磯、漁港と色とりどりの釣り場が行ける範囲にある。だったらハイスペックのロッドが欲しい。

ということで、探して行き着いたのがエクスセンスMBでした。

上記のフィールドを想定すると長さが必要でしたが、2ピース9.6ftの10エクスセンスを所持しており、差別化を図るためにS88ML-5を購入。

一番気にしていた持ち運びの利便性ですが、ご覧の通り。

横幅40㎝、高さ50㎝ほどの小型旅行バッグにもロッドだけならギリギリ収納可能でしたが、付属のキャリーケースのおかげで出張時の長時間移動がまずもって楽でした。

ケースもしっかりした造りになっているので、誤って落としてしまっても中のロッドが折れる心配は皆無。

写真は旅行バッグのハンドル部分に、ロッドケースの肩掛けベルト長を調節して固定していますが、普通に肩に掛けて使用しても邪魔になりません。

地磯での釣りはタイドプールを飛んだり跳ねたりしながら釣り場へ行かなければならなかったので、この肩掛けベルトは特に重宝しました。

あると嬉しい細かな気遣い

継ぎ数が多いと組み立てが面倒な上に、ガイドがあちこち違う方向を向いて、伝達力が下がってしまうリスクがありますが、そうならないように継ぎ目にセットポジションがマーキングされており、点と点を合わせればガイドが真っすぐ整列するようになっています。

欲を言えばスクリューロックジョイントが欲しかったかな。ハイエンドなんだし。

それからフックキーパーも付いているので、ルアーを付けたままの移動も安心安全です。

なぜか公式ホームページにはこれらに関する画像や記述がありませんでしたが、こういう細かい気遣いはありがたいですね。

強靭なブランクス 60㎝オーバーのシーバスも安定キャッチ

最初の釣果は港湾での居着きシーバスでした。

継ぎ数が多ければ多いほどロッドのベンディングカーブは不自然となり、バットからティップへの力の伝達は悪くなってしまいますが、このロッドはパっと見て継ぎ目がどこか解らない綺麗なカーブを描いてくれます。

さすがに1ピースや2ピースロッドに比べると伝達力が劣っている感じは否めませんが、写真くらいのシーバスなら安心してキャッチできるパワーを備えています。

吸い込みバイト系のシーバスですが、かなりガツンと手元にアタリが伝わってきました。リーリング中にグリップに手を置くことなんてないので、モノコックグリップって本当に意味があるのか疑問な部分もありますけど、個人的にはEVAグリップよりも感度の面では恩恵があると思います。

一番投げやすかったのは15~20g。スペック上は32gまでキャスト可能となっていますが、実際そのウエイトを投げようとすると、ベールが返ってミスキャストした際の瞬間的な力の負荷が継ぎ目に掛かることを想像すると折れてしまいそうで、なかなかに怖いです。

使用者の感覚的な意見なので、実際は思いっきり振っても問題ないのかもしれませんが。

パワーでねじ伏せたメタボキジハタ。

その他、40㎝級のキジハタも根に潜られることなくバットパワーでねじ伏せました。

ただひとつ気になったのは、アワセを入れる瞬間の伝達力。大型魚になればなるほど口が硬くなり、針が刺さりにくくなるので、しっかりと竿を煽ってフッキングをしなければなりませんが、いつもの使用感でフッキングしても上手く力が伝わりきれないのか、ファイト中にフックアウトしてしまうことが多々ありました。特にトレブルフックでのバラシ率は高かったです。

このあたりはパックロッド独特で、使い慣れればそのようなミスも防げるのかもしれません。

メタルシャルダスで釣ったヒラメ。釣り上げたあとすぐにフックが外れた。

感想と耳より情報

サーフ、地磯、漁港とあらゆるフィールドで出張中の半年間ほぼ毎日使っていましたが、パックロッドらしからぬハイスペックさを感じることができ、釣った魚もピンギスから60㎝オーバーのシーバス、ショアレッドやフラットフィッシュまで仕留めることができました。

ちなみに供給が少ないため、買値が約55000円に対し、売価の平均が45000円となっており、値崩れしにくいところも魅力です。もちろん状態の良し悪しで左右されますが。

車を持たない大都市にお住いのシーバスアングラーや、私のように旅行先や出張先でガチ目に釣りをしたい人は一度買ってみてはいかがでしょうか。エクスセンスMB、これを超えるパックロッドは存在しないので、マジでオススメします。

コメント

  1. 釣犬キワワ says:

    実用的なレビューですね✨仕舞寸法約50cmなら遠方の移動も気にならないと思います。飛行機使った遠征もできそうですね🤔

    パックロッドで海外遠征なんて興味ありますでしょうか⁉

    ちなみに私もオススメのロッドがあります。マッ……(パキッ)

    • turiamp turiamp says:

      キワワさんありがとうございます!
      存じております、マイクロ云々ですね!キワワさんくらい経験があればマイクロ云々で十分なんでしょうね。
      わたしは道具に頼らないと釣れる自信がございません。
      海外遠征には興味ないんですけど、猿払川にイトウ狙いに行きたいですw

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