
毎年この季節になると白熱するダイワvsシマノの、どっちのリールがいいの?論争。
今年はそれぞれのメーカーの中でも特に人気のモデル、セルテートとツインパワーがモデルチェンジを発表しました。汎用機としてハイエンドに次ぐスペック、そして同じ価格帯であることから実際にどちらを購入するかで迷っている人も少なくないのではないでしょうか。
かくいう筆者もおよそ4年前、19セルテートか20ツインパワーどちらを選ぶべきかで迷宮に陥ってしまった一人。結局どちらも購入したワケですが…
そんな両方使用したからこそ言える経験を踏まえ、24セルテートと24ツインパワーの特徴や搭載されている技術、その人に合うリールを解説します。
2024年3月5日 24ツインパワー発売開始!
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24セルテートと24ツインパワー
24ツインパワーと24セルテートに使用されている各部位のマテリアルは以下の通りです。
24セルテート | 24ツインパワー | |||||
ボディ | アルミ | アルミ・CI4+ | ||||
ローター | ザイオン | ※1アルミ/マグネシウム | ||||
ベール | ステンレス | ステンレス | ||||
ドライブギア | 超超ジュラルミン | 超超ジュラルミン | ||||
メインシャフト | ステンレス | ステンレス | ||||
ベアリング数 | ※210 | 9 | ||||
※3重量 | 225 | 215 |
※1 C2500S以下の番手はアルミニウム、それより上の番手はマグネシウム
※2 ダブルハンドルモデルは12
※3 24セルテートLT3000と24ツインパワーC3000を参考に記載
ここで注目したいのがボディとローターの材質。ちなみにCI4+というのはシマノが独自に編み出した炭素繊維樹脂素材、ザイオンはダイワ独自のカーボン系高密度樹脂素材です。
シマノはボディ、ダイワはローターに上記の強化プラスチック素材を使用しています。一般的に剛性で重要なのはローターよりボディであると言われています。
以前、ツインパワーはセルテートと同様にフルメタルボディでした。しかし当時、2社で白熱していた軽量化合戦で、シマノは20ツインパワーを境に、ボディに一部CI4+を使用したいわゆる半プラ化を採用しました。
これには多くのユーザーから、質実剛健を謳うツインパワーのコンセプトとして如何なものかと、どちらかというと否定的な意見が飛び交いました。
しかし4年経った今、そのようなネガティブな声を聞くことは少なくなったように感じます。
これは実際に20ツインパワーを購入し使用したユーザーが、フルメタルと比較しても遜色ない剛性力を実感しているからに他ならないでしょう。24ツインパワーもその流れを汲み、一部CI4+を使用した半プラボディとなっています。
対するセルテートは、前作の19セルテートを境に、ボディを1つのパーツとして形成することで剛性を保ちつつ軽量化を図るモノコックボディにより、フルメタルでありながら前モデルよりも重量を軽くすることに成功しました。これにはツインパワーとは真逆の、多くのユーザーから賛同の声があがり、それまでリールはシマノ1強との呼び声が高かった世間の印象を大きく変えるものとなりました。
今作の24セルテートももちろん、モノコックボディが採用されており、軽さによる操作性とその剛性力はツインパワーを上回るといっても過言ではないでしょう。
24セルテートの進化と特徴
19セルテートから実に5年ぶりのモデルチェンジとなった本機種。当然のことながら前作に比べ大きな進化を遂げています。
中でも一番注目したい部分はエアドライブデザインが採用されたこと。
エアドライブデザインというのは、快適な操作性を徹底的に追求し実現させたダイワ独自の設計思想。
以下の4つを合わせた機構となっています。
エアドライブローター

新形状の球体からそのまま切り出したような真円に、剛性を維持したまま不要な肉を徹底的に削ぎ落とし、大幅な軽量化を実現。これにより操作性、巻き出しの軽さと同時に感度も飛躍的に向上。
エアドライブベール

ステンレス製のベールを中空化することで必要な剛性を維持しつつさらなる軽量化を実現。また、滑らかにベールからラインローラーヘとラインがスムーズに移行する形状によりライントラブルを大幅に削減した。
エアドライブスプール

スプールスカートからスプール内部に至るまで徹底的に肉抜きし軽量化。その恩恵として巻き出しをより軽く、キャスト動作などの操作性もより高いものを実現。さらに作動抵抗の少ないドラグ機構により、急な走りに対しても追従してドラグが作動するようレスポンスも向上した。
エアドライブシャフト

ピニオンの両端をベアリングで支持。さらにメインシャフトと非接触構造にし、摩擦抵抗をゼロにするリニアシャフトにすることで、入力されたパワーを最大限回転力ヘ繋げることを可能とした。高精度カラーでメインシャフトを支持することにより、ノイズを徹底的に減らし、より繊細なアタリを捉えることを可能とした。
要は前作に比べ、必要ない部分の肉は落として剛性を維持しつつ軽量化を図り、その恩恵として巻き出しの軽さや巻き感度を上げ、さらにシャフト部の構造を変えることでノイズを減らして巻き心地も良くなったということ。
回転フィールから巻き心地、巻き感度もさることながら、それでいてフルアルミボディという剛性をも兼ね備えた、近年のこの価格帯ではどのメーカーも実現できていないハイパフォーマンスな技術がふんだんに採用された至極の一台。もはや、ダイワのハイエンド汎用機イグジストに引けをとらない性能となってしまっています。
もちろん、前モデルの目玉であったモノコックボディを代表とする軽さとタフさを兼ね備えたLTコンセプトやマグシールドといった防水機構もそのまま健在。誰がどう見ても19セルテートから進化していますね。
24ツインパワーの進化と特徴
セルテートが前モデルをベースとして正当に進化したと評するならば、24ツインパワーは前モデルとは全く別物と言っても良い仕上がりとなっております。
搭載されている技術特性に関しては、20ツインパワーから大きくは変わらず、新たに5つ追加されています。
インフィニティドライブ

思わぬ大物により、高い負荷をかけた時でもパワフルに巻き上げ、常に主導権を握れる、それがインフィニティドライブ。パワフルであるがゆえに、いつも使っているリールの番手を下げることができ、より疲れることなく大物を楽に仕留めることが可能。
インフィニティループ

まるで矢を放つような、スプールからラインが放出していることを忘れさせる、抜けるようなキャストフィーリング。ライン放出時の摩擦抵抗を大幅に削減することにより、誰も届き得ぬ遥か沖までロングキャストを可能にした。
インフィニティクロス
ギア同士の接触面積を増やすことで歯面にかかる負荷を分散。これにより耐久性が従来の約2倍に向上した。パワーファイト時やジャーキングのようにギアに負荷がかかってもダメージが軽減され、常にベストなコンディションを維持することができる。ノイズのないリーリングは微細な変化を感じることができ、アングラーにとって大きなアドバンテージに繋がる釣りが展開できるだろう。
アンチツイストフィン

ラインローラーの下部にアンチツイストフィンを採用することで、スプール下部へラインが脱落することを防ぎ、また、ラインが弛んだままスプールに巻き付けられる現象を軽減する。これにより、スピニングリールでよくある不自然なラインの巻き取りや、それによって起こるライン放出時のトラブルを減少させ、ストレスのない釣りを展開できる。
デュラクロス

ドラグワッシャーに新材料を採用することで、耐摩耗性が驚異の10倍以上アップ。デュラクロスにより予期せぬ大物と遭遇しても、ドラグの滑らかな作動により安定した釣果を可能にした。ライトラインが求められるトラウトなどのエリアフィッシングやバス、インショアやショアなど幅広い釣りに対応。
セルテートと同様に前モデルベースに進化したように思われますが、使い勝手は全然違います。
というのも、一番大きく異なるのはシマノが22ステラ以降前面に押し出しているインフィニティループ、いわゆる超密巻き機構が24ツインパワーにも搭載された部分。検索すれば数多くヒットするように、とても扱いの難しい玄人向けの機構でもあります。アンチツイストフィンがあっても、リーリングはラインにテンションをある程度かけて巻くことを意識しておく必要があり、また、キャスト時もフェザリングによりライン放出を調整するテクニックが要求されます。
扱い慣れれば、インフィニティループによる最大の恩恵、他機種の追随を許さないロングキャストは大きなアドバンテージとなるでしょう。ある意味、使用者のレベルを上げてくれる機構といっても良いかもしれません。
インフィニティクロス、インフィニティドライブ、デュラクロスからわかるように、耐久性や剛性力は前モデルから遥かに向上していることが伺えます。ツインパワーのコンセプトである、まさに質実剛健といったところでしょう。
24セルテートと24ツインパワー どっちを買えばいいの?
正当な進化を遂げた24セルテートとユーザーのレベルが要求される24ツインパワー。
19セルテート、20ツインパワー、22ステラを所持し、実際に使用した筆者の経験上、剛性力はセルテート、耐久性はツインパワーが上だと思っています。そのあたりを考慮し、筆者の独断と経験を踏まえたうえで、それぞれのリールにふさわしい人の特徴を記載します。
24セルテートを使うにふさわしい人の特徴
●小まめにメンテナンスをする
●ドラグ調整は毎釣行欠かさない
●無理な使い方をしない
●道具を大事に扱える
●飛距離よりパワー重視
セルテートはモノコックボディを搭載することで、より大きなドライブギアを積むことに成功しました。これは言い換えると、小さなボディに大きなギアが積まれているということ。車で例えるなら軽自動車に2000ccクラスのエンジンが積まれているようなものです。
特にコンパクトボディを表すCが付くモデル(LT3000-CHなど)は気をつけてください。ギアが大きいためゴリゴリ巻けてしまいますが、ボディには大きな負荷がかかります。適切なトルクを守って扱えなければ壊れてしまうリスクがあることを念頭に入れておくようにしましょう。
定期的なメンテナンスを欠かさず、上記のような無理をしない使い方ができる人にとってはこれ以上ないリールであることに間違いありません。
24ツインパワーを使うにふさわしい人
●メンテナンスは年一程度
●向上心アリ
●結構おおざっぱ
●道具の扱いがザル
●何より飛距離が重要
シマノはスポーツ自転車を含め、世界的に評価をされてきました。完成されたリールにおいてはシマノとダイワの2強でしょうが、ギアのみで答えればまだまだシマノが上であることに違いありません。リールにおいて世界最高の代名詞がステラであることがその証拠でしょう。
多少ザルに扱ってもギアが欠けたりノイズが発生することもなく、長期間に渡り最高のパフォーマンスを維持してくれます。ロッドもそうですが、シマノ製リールの耐久性は他メーカーのそれと比べ物になりません。
問題は超密巻きを扱えるかどうかという部分。克服してしまえばダイワ機では到達できないロングキャストが可能になります。自信がある人や向上心がある人はぜひ手に取っていただきたいところです。
旧モデルはお買い得
必ずしも最新モデルが自分に合うリールであるとは限りません。旧モデルにはそれぞれの良さがあり、そして何よりこれまでの実績があります。また、新作が出ることで値下がりするぶん、コストパフォーマンスの面でも優れているといえるでしょう。
しかし、供給がなくなると旧モデルが人気となり、逆に価格が上昇することも少なくありません。気になっている方は手に入れにくくなる前に購入を検討することをオススメします。
気になる24ツインパワーの発売日は?
お待ちかね! 24ツインパワーの気になる発売日ですが、今まで未定でしたが遂に続報が入りました!
2024年3月5日現在、すでに発売中となっております!
※ただし3000MHG、4000M、4000PG、4000MHG、4000XG、C5000XGは2024年5月発売予定
中~大型番手の発売がやや遅いのが気になる所ですが、ギリギリ春の釣り物全盛期には間に合いそう?
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